ある都市学者が夢見たソウル
カン・ビョンギ教授寄贈遺物特別展
期間:2021年10月29日~2022年3月6日
場所:ソウル歴史博物館・企画展示室B
「新しいものと古いもの、美しいものと醜いもの、秩序と自由、硬さと柔らかさ、富者と貧者、高きと低き、貴きと卑しさ、広きと狭き、明るきと暗き、善と悪、早きと遅き、人と自動車、そして男と女、これらすべてが共存できる都市。それこそが望ましい都市ではないだろうか?」
カン・ビョンギ, 「理想都市ソウルの設計」, 『暮らしの文化と都市』, 2009
ソウル歴史博物館は、毎年、寄贈された遺物を活用して寄贈遺物特別展を開催している。今年は、2017年に大量に受贈した故カン・ビョンギ教授の寄贈遺物を選別・展示して、ソウル都市開発の歴史を体系的に照らす。カン・ビョンギは、韓国の都市計画・都市設計分野の土台を築いた者として評価されている。1932年に済州で生まれ、高等学校から日本へ留学して東京大学に進学し、日本のモダニズム建築を代表する先駆者の一人である丹下健三教授の下で修学した。1970年に博士号を取得し、漢陽大学都市工学科の教授として招聘され、帰国後は都市学の第一世代として大韓国土・都市計画学会会長、韓国都市設計学の初代会長などを歴任した。また、「下からの都市建設」という持論を実践に移し、念願の社会運動に身を投じた。「(社)歩きたい都市づくり市民連帯」の代表を務め、「ソウル市庁前の歩行広場造成」、「ソウル特別市における歩行権の確保と歩行環境の改善に関する基本条例の制定」など、市民運動を通じて住民主導型の都市計画を実践した。