ハニャン(漢陽)都城の城壁に沿って歩くと、文字が刻まれた石がよく目につきます。「刻字城石」と呼ばれるこれらの石は、ハニャン(漢陽)都城の築城の歴史を今に伝える遺跡です。これまでハニャン(漢陽)都城の全区間にわたって288個の刻字城石が発見されており(2015年現在)、それらは城壁を築いた時期によってそれぞれ違う特徴を持っています。さらに、石に刻まれた記録は、朝鮮時代の国家による文献記録と照らし合わせてもその内容が一致しているため、ハニャン(漢陽)都城における各区間の築城時期だけでなく、どれほど都城の管理が徹底していたかを知る重要な資料となっています。
シリーズ「記録資料からみたハニャン(漢陽)都城」の5番目の展示は、ハニャン(漢陽)都城の各区間の刻字城石を中心に、朝鮮時代におけるハニャン(漢陽)都城の築城と管理の歴史についてスポットを当てています。城石に刻まれた韓国の祖先の痕跡を辿ることで、ハニャン(漢陽)都城の歴史的な意味を振り返る時間になれば幸いです。